関節の変形を科学的視点で見る 2

前回は骨が変形することを科学的に説明しました。
そのリンク先はこちら↓

関節の変形を科学的視点で見る 1

今回も前回に引き続き難しい言葉が出てきますが覚えなくても大丈夫です。
そんな物質があるんだなと思ってください。


変形する関節(骨)を食い止めるにはどうすれば良いのでしょうか。
科学的にアプローチしていき、最後にぼくの考えを書きます。
最後まで是非ご覧ください♪( ´θ`)

目次

骨を作る!

「関節の中で軟骨が刺激され、軟骨が溶かされるから骨は変形する」ということで話は終わりました。
溶かされた軟骨が関節の中に漂いそれがいわゆる関節の「水」と呼ばれるものでしたね。
この水は「プロテオグリカン集合体」と呼ばれます。
このプロテオグリカン集合体が溶かされなければ良いということ、もしくはプロテオグリカン集合体を作り直せば良いということになりませんか???
そうすれば骨が変形することもないでしょうし、完全ではないにしろ軟骨が再生してくれるはずです。
それにはまず材料が必要になります。

軟骨を作る材料

前回も書きましたが、軟骨の成分はコラーゲンと粘質多糖体です。
(細かい話になりますが、この粘質多糖体とプロテオグリカン集合体とは違います。しかし、ここではほぼ同じ物と思って頂いて結構です。名前が違ってややこしくなりますので…。)
コラーゲンを作る材料はタンパク質ビタミンCです。
粘質多糖体は3種類ありました。
その3種類とも合成の際ビタミンAを必要とします。
また、粘質多糖体の合成に必要なミネラルとしてマンガンも重要な役割を担っています。
またコラーゲンとは別に「エラスチン」という結合組織も必要になります。
このエラスチンを合成するには、が必要になります。
軟骨を作る際必要な物質をまとめます。

軟骨ビタミン:A・C
軟骨ミネラル:リン・銅・マンガン

これらに十分な量のタンパク質を摂ることで軟骨が作られます。

硬骨を作る物質

最終的な「骨」にするには、軟骨を硬骨にする必要があります。
軟骨が作られた後、カルシウムをくっつけて硬骨になります。
その際「グラタンパク」という接着剤の役目を担ってくれるものが必要になります。
グラタンパクを作るにはビタミンKが必要となります。

硬骨を作る際必要な物質をまとめます。

硬骨ビタミン:A・C・K
硬骨ミネラル:カルシウム・リン・銅

ビタミンAには、成長ホルモンの合成にも関与しています。
プロテオグリカン合成を成長ホルモンが促進しますので、その面でもビタミンAは必要となります。
また、粘質多糖体の幹の部分であるヒアルロン酸の分解を、ビタミンCが抑制してくれます。
ということは、実質上軟骨を溶かす活性酸素を抑制するものはビタミンCということにもなります。
これは驚くべきことであり、変形性関節症で悩まされている方はビタミンCを飲まない手はないと言っても過言ではないのではないでしょうか。

これらの栄養素を必要十分量摂ることで「科学上」骨の変形は防ぐことが出来ます。
栄養素を摂る際は量とタイミングが重要です。
ここは非常に難しい加減です。
運動をしていたり仕事内容やストレスの加減によって量が変わるからです。

最強のガイドを目指して

ぼくの考えを書きます。
今回は原因について書きませんでした。
そこの補足を少しします。
変形性関節症は筋肉と骨格が原因で起こることが多いです。
特に50歳前後以降の女性に多いことも特徴的です。
(次の記事ではその理由を書きます。)
筋肉の弱りやコリ、腰や骨盤の問題など様々原因はあります。
その為には適切な部位の筋肉をほぐし鍛える(動かす)ことが重要となります。
なおかつ、栄養で補うことの重要性は今回の記事でご理解頂けたと思います。
これらの「ほぐす」「動かす」「栄養を摂る」はどれが一番重要ということはなく、全て重要です。
自分でもやれることはあります。
むしろ自分でやることだらけです。
しっかりとした知識を身に付け、人に頼るだけでなく自分自身の体の健康を管理することも大変重要なことです。
実際に筋肉を動かし鍛えたり、栄養を摂取するのは患者さん本人ですからね。
ぼくはその道標(ガイド)になれればと思っています。
最強のガイドを目指しております( ^ω^ )

継続は力なり!

なぜ今回このような難しい情報を書いたかと言いますと、結論的に何を摂れば良いのかだけ書いても説得力がないからです。
どのような理論があって、なぜその栄養素を摂取しなければならないのかを理解せず言われるがままに摂取するのと、内容をある程度理解して摂取するのとでは大きく違います。
これはぼく自身がそのように実感したからです。
当院に来院される患者さんは本気で股関節を治したい方が大勢いらっしゃいます。
そして本気で悩んでいます。
その本気の悩みにこちらも本気でぶつからないと良い結果は生まれません。
股関節痛で来院される方が多いのですが、常に全ての人を治せてはいません。
本当に難しい方もいらっしゃいます。
しかし、難しいからと言って諦めるのではなく、どうにかして少しでも症状を和らげれることができないだろうかと探求し続けます。
そこにはぼくだけの力ではなく、患者さんの「忍耐力」が必要となります。
ぼくをどれだけ信用して頂けるかにかかっています。
その為には、ぼくが中途半端なことをしていては信用は絶対に勝ち取れません。

最後にぼくが尊敬している棋士羽生善治先生の言葉を引用して終わります。

何かに挑戦したら
確実に報われるのであれば、
誰でも必ず挑戦するだろう。
報われないかもしれないところで、
同じ情熱、気力、モチベーションをもって
継続しているのは非常に大変なことであり、
私は、それこそが
才能だと思っている。

最後までご拝読ありがとうございました。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次